唐の詩人描いたアニメーション映画「長安三万里」の興収が2日で40億円に―中国
アニメ制作スタジオ「追光動画」が制作したアニメーション映画「長安三万里(Chang An)」が8日に公開された。先行上映も含め、公開から2日間で興行収入が2億元(約40億円)に達した。現時点で、同映画のネット上のレビューは8.1ポイントに達している。ネットユーザー5万人以上がレビューに参加し、その73%が4つ星以上を選んでいる。
「長安三万里」というタイトルは明の時代の文人・陳子龍の「従軍行」からつけられた。「長安」は高適や李白といった詩人にとって「理想の地」であり、「三万里」はこれらの詩人と理想の距離を示しているという。
唐の様子をリアルに再現すべく、制作チームは準備段階から、陝西省や四川省などに足を運んで情報収集に励んだほか、関連書籍約100冊を参考にしたほか、図や絵といった資料を合わせて膨大な準備作業を行った。作品には長安や揚州、黄鶴楼、胡姫酒肆、曲江池、岐王府、梁園、雲山城、万里の長城の外となる塞外など、数多くの唐代の景色や建築物が登場する。
主役の李白と高適のほか、杜甫や王維といった同時代の詩人、さらには草書の名手として知られる張旭、行書の名手であった李邕、剣舞の技が非常に高名だった裴十三なども登場しており、唐の有名人が勢揃いしている。また、「床前月光を看る、疑うらくは是れ地上の霜かと」、「黄河の水天上より来たるを、奔流海に到りて復た回らず」、「愁うる莫れ前路知己なきを、天下誰れ人か君を識らざらん」といったおなじみの唐の時代の名詩48首も出てくるため、繁栄した唐代の様子がまさに「フルコース」で紹介されている。
ネットユーザーの関雅荻(ハンドルネーム)さんは、「これまでに感じたことのないような複雑な感情に襲われ、見終わった後は、大泣きしたくなった。この168分のアニメーション映画は、約1300年前の国が大きく変化する時代において活躍したさまざまな性格や才能を備えた文化界の大御所といえる人々の物語を描いており、初めて映画を通してアイデンティティーを感じることができた。昔の中国人の精神的世界や高貴な人格を見ることができた」とコメントした。
また、ネットユーザーの江寧婆婆(ハンドルネーム)さんは、「映画館ではたくさんの子供が登場人物と一緒に詩を暗唱していた。かわいい子供の声が前後左右から沸き上がり、映画よりもその状況を見て感慨深い思いになった。文化の意義と文化に対する自信が、知らず知らずのうちに代々受け継がれている」とコメントした。
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