秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した半円形瓦当。(資料写真、西安=新華社配信)
【新華社西安6月22日】中国陝西省考古研究院は21日、同省宝鶏市にある秦雍城遺跡で春秋時代の大型建築遺構を発掘し、器物標本500点余りが出土したと発表した。
雍城は春秋時代中期から戦国時代初期にかけての秦国の都城で、同国が都を置いた期間が最も長い都市として知られる。同市鳳翔区の市街地南に位置し、総面積は約50平方キロに及ぶ。
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した鹿角。(資料写真、西安=新華社配信)
今回発見された建築遺構は瓦窯頭(がようとう)建築遺構と呼ばれ、遺跡の城址(城跡)エリアの東端に位置する。陝西省考古研究院、宝鶏市考古研究所、宝鶏先秦陵園博物館、宝鶏市鳳翔区博物館などが2022年6~12月、共同発掘調査を実施した。
遺構は基礎部分だけが残り、南北方向と東西方向の二つの建物からなる。車馬器の泥範(泥の鋳型)、骨器の材料の鹿や牛の角などが多く出土し、東周時代(春秋・戦国時代)の灰坑やかまど跡、漢代の灰坑や墓、唐~清代の住居跡や道路、井戸などが見つかった。
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した泥範。(資料写真、西安=新華社配信)
出土器物は春秋時代の建築材料が多く、いずれも泥質の灰陶製で主に溝形板瓦、筒瓦、半円形瓦当(がとう、軒瓦の先端の円形部分)などが見られた。183点の表面に符号が刻まれており「五」「十」「又」「工」「木」「火」などが判別できた。符号や文字は器物に製造者の名を刻み、責任の所在を明白にする「物勒工名(ぶつろくこうめい)」制度の初期形態と思われる。
瓦窯頭建築遺構は規模が大きく、屋根に瓦が敷かれており、春秋時代中期の大規模で等級の高い単体建築とされる。専門家は城址エリアの東端という位置関係、配置構造や建築材料の大きさ、工芸レベルなどから文書や財物を保管した府庫の跡ではないかと推測する。
今回の発掘結果は、これまで雍城最初の大型宮殿跡と考えられていた瓦窯頭建築遺構の認識を覆し、秦雍城の都市施設や配置、沿革、さらには東周時代の建築技術を研究する上で科学的資料をもたらした。(記者/楊一苗)
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した建築材料で見つかった文字や符号。(資料写真、西安=新華社配信)
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した骨笄(こつけい、骨製かんざし)。(資料写真、西安=新華社配信)
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秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した筒瓦。(資料写真、西安=新華社配信)
秦国都城遺跡で大型建築遺構を発掘 専門家は府庫と推測
秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した泥範。(資料写真、西安=新華社配信)
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秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺構から出土した泥範。(資料写真、西安=新華社配信)








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