【6月28日 Xinhua News】中国陝西省（Shaanxi）西咸新区灃東新城でこのほど、宋・金時代の村落遺跡が見つかった。遺跡は同省西安市（Xi'an）長安区斗門街道張旺渠村の北にあり、西を流れる灃河からは約700メートル離れている。南北約190メートル、東西約180メートル、総面積約3万4千平方メートルで、現在の行政区画では灃東新城に属する。陝西省考古研究院が2020年8月から発掘調査を進めていた。

　遺跡からは複数の灰坑、井戸、道路、墓などが見つかり、施釉陶器、陶器、磁器、鉄器、銅器、鉄スラグなどが出土した。破損のない、または復元可能な器物は約280点だった。
　同地区は西周時代の都の一つ、鎬京（こうけい）遺跡の西端に位置するが、遺跡から前漢以前の遺物が見つかっていないことから、同地での人の定住は後漢・魏晋南北朝時代以降とみられる。灃河の河道が西に移動するにつれ、住み心地の良い場所となり、唐・五代十国時代から居住地の規模が拡大した。12世紀前後の宋・金時代に最盛期を迎えると大量の灰坑、井戸などが出現。同時代の耀州磁器も大量に出土した。ただ、明清以降の住居遺構はみられず、その頃には田畑になっていたと思われる。今回の発掘調査からは、遺跡所在地の歴史変遷の輪郭が見て取れる。