【4月4日 Xinhua News】中国陝西省（Shaanxi）考古研究院はこのほど、同省西安市（Xi’an）の鎬京（こうけい）遺跡で大型建築の基礎遺構を発見したと明らかにした。同遺構の南東の隅で祭祀（さいし）に関連する獣骨坑が見つかったことから、付近に西周時代の宗廟（びょう、祖先を祭る施設）遺跡が存在する可能性があるという。

　鎬京遺跡は、西安市の西郊外、灃河（ほうが）東岸に位置する。西周王朝の都城が置かれた地で、約3千年の歴史を持つ。

発見された建築基礎はほぼ長方形で、中央部から東側にかけての版築（はんちく）基礎（土を突き固めて作った基礎）は後世の灰坑などで破壊され、3分の2ほどが残っていた。基礎の上には8部屋が横に並んで配置された壁の土台が確認でき、基礎からは土器の排水管の一部のほか、平瓦や筒瓦、溝付き瓦など建築資材の破片数十点が見つかった。

　南東隅で見つかった獣骨坑からは、ウシやヒツジ、ブタ、シカなどの動物の頭蓋骨が出土した。ウシ、ヒツジ、ブタの3種類は、周王朝の天子が祭祀を行う際に供えた最上級の供物で「太牢（たいろう）」と呼ばれる。陝西省考古研究院の岳連建（Yue Lianjian）研究員は、これら3種類のほかにシカの骨が見つかったことについて、追加された供物ではないかと指摘。獣骨坑は祭祀と関係があることから、建物のあるエリア内に西周時代の宗廟遺跡が存在するとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News