漢長安城長楽宮内の2000年余り前の氷室（日本語字幕付き動画）

漢長安城長楽宮内の2000年余り前の氷室（日本語字幕付き動画）

こんにちは！

“古都西安人”です、続きまして、“前漢長安城遺跡”のご案内です。

今日はもう一度　前漢長安城内をご案内いたします、

よろしくお願いいたします。

冬の本番を迎え、外気温が氷点下になりました、
この時期に二千年前の前漢長安城人が天然氷を氷室に貯蔵し始めました。

では、昔の人はどうやって夏まで氷を保存していたのしょうか？
2004年10月、漢長安城長楽宮遺跡の北西部に一か所の皇家蔵氷室(氷室)遺跡を発見して、古人が氷を保存する秘密を明らかにしてくれましたので、一緒に見に行きましょう

当遺跡は西安市未央区の羅家村東北に位置しております、
発掘総面積が1369平方メートルです。
一つの大きな部屋、五つの小さな部屋と、周りのレンガを敷いた庭及び、庭中の排水施設などの遺跡からなっていす。
残念ながら、庭に敷いた煉瓦がなくなってしまいました、
排水施設と五つの小さな部屋遺跡も既に埋め戻されてしまいました。
あの大きな部屋（遺跡）だけ見学できます、
下の白い建物で覆われております。

上から見た平面図では、古建築遺跡が長方形に見えます、
部屋は四方が厚い土壁により囲まれております、
太陽からの熱（日射熱）を防ぐため、
南の土壁が最も厚く、5.5メートルに達します；
西の土壁と東の土壁がそれに次ぐ、
西の土壁の厚さが4～4.6メートルです、
東の土壁の厚さが3.9メートルです；
北の土壁が最も薄く、3.5～3.7メートルです。

考古学者が当時の人たちが冬に渭水から天然氷を採っていたと推定しています（ここは渭河南岸まで約10キロです）、翌年の夏まで保存していました。古代において貯蔵された氷は主として食品の冷蔵・保鮮・防腐のために使用されていました。暑い夏に宮殿の中は氷室の天然氷で降温・納涼していました。皇室の祭祀にも氷が使われていました。また昔人が真夏には冷たい飲み物を楽しんでいました、専門家の話によると、元の時代、フビライの宮殿にはミルク（乳）を凍らせたアイス クリームが既にあったそうです、その後、マルコ・ポーロはその作り方をヨーロッパに伝え、加工改良を経て、徐々に今のアイスクリームとなったそうです。

漢長安城長楽宮中の蔵氷室は今までに発見された中で最も規模が大きく、完璧に保存された前漢時代氷室（遺跡）です。
この大きな部屋は氷室（遺跡）です、付近んの埋め戻された五つの小さな部屋（遺跡）は、関係者管理者が一般事務を取り扱っていた場所です、現在の事務所（オフィス）に相当します。

古代の朝廷には、冬凍った氷を切り出し蔵氷したり、氷室の管理や賜氷を司る凌人という部署がおかれ、専門官が配属され、蔵氷事務を管理していたそうです。

大小部屋遺跡北西側の庭には2本の排水溝が発見されました、どちらも明渠です、庭のたまり水を外に排出する役割を果たしていたそうです。

文献の記載によれば、未央宮にも氷室(蔵氷室)があったそうです、漢長安城内の氷室(蔵氷室)が、ここだけではありません。氷室(蔵氷室)のほか、漢長安城未央宮には温室殿、清涼殿もあったそうです。

長楽宮は漢初、かつて一度に皇宮として使われていましたが、漢恵帝から皇太后の宮殿となりました、韓信は罠にはめられ、呂皇后に長楽宮で殺害されたそうです。氷室(蔵氷室)遺跡の北部、西部、近くには、同時期の宮殿建築遺跡が幾つあります。氷室内の氷は、主として、これらの宮殿の用に供するはずです。

古代の朝廷は夏に職務の級別に応じて、貴重な氷を不均等に大臣たちに分け与え、氷をもらった大臣もこれを栄誉と見なしていました、現在の福利厚生みたいなもんです。

室外は庭（の地面）と平行、室内は庭（の地面）より低く、室内は東西の長さが27メートル、南北の幅が6.7メートル、深さ0.14－0.5メートルの浅地下式建築です。

室内は地面が凸凹し、南北両側から中央に向かって傾斜して、中部を東西に貫く一本の排水溝が形成されました。排水溝の東西の長さが20メートル、西高東低、傾斜度が約3度、東端と西端の高低差が0.2メートル、排水溝底部は南北の幅が0.19メートル、排水溝底部にレンガを東西方向に敷いて流水槽を設けました。水槽両側には約1メートル毎に一本の南北方向の小排水溝があり、中部の大排水溝と繋がり、東壁の西側から3.5メートル離れたところに中部の大排水溝が南東に曲がって、長方形の水溜まりを通って、東壁を貫く五角形陶水管道へと繋がりました。

室内には壁沿いに巡る回廊があります、幅0.98メートル、地面にレンガを平らに敷き、敷いた煉瓦がほとんど残っていませんが、敷いたレンガの痕跡は十分に鮮明です。

そのうち南部回廊と中部排水溝の間の地勢が南高北低です、北部回廊と中部排水溝の間の地勢が北高南低です、傾斜度がどちらも7度ぐらいです、回廊と中部排水溝の間は、レンガを立て南北方向に並べました。

これらは、室内に大量の水がたまって室外へ排出する必要があることを語っています。これらの建築が事務や居住のための建物ではなく，倉庫のような建物の特徴を明示しています。氷を貯蔵するための倉として用いられていたと考えられているのは、浅地下式建築構造と広くて厚い土壁が保温断熱作用を有するためです。

氷が貯蔵中に徐々に溶けて形成された融水は，まず部屋中部の大排水溝に集まり，それから東壁中の陶水管を通って外へ排出されました。また、氷が割と重くて、回廊と中部排水溝の間は、レンガを立て南北方向に並べて氷の重量を支えていました。室内を一周する回廊（レンガを敷いた回廊）は、氷を入れたり、出したりする古人が歩いた通路である筈です。

具体的な氷の保存方法は、氷の下に新鮮なわらとアシのむしろを敷いて、その上に氷を置いた上で米糠、木の葉などの断熱材料を被せまして、来年に氷を楽しむことを期待していました。

このような状態で保存していたので、毎年、約三分の二の氷が溶けてしまったので、故人が必要量の3倍の氷を貯蔵することが多かったです。

大きな部屋の南西角に半地下式の建物跡があります、深さが約１メートル、地面に四角いタイルを貼っています、周囲には幾何学模様の空洞レンガを立て並べています。東南の角に円形井戸みたいものがあります、
井戸の壁には円形の陶管が見えます、庭のたまり水を捌かすために掘られた排水穴であるはずです。

長楽宮凌室(蔵氷室)の建築遺跡は構造が独特、初めて発見した前漢時代の蔵氷遺跡です。前漢建築の多様性、前漢宮廷生活も研究するために、新しい実物資料を付け加えました。

これから動画などで西安及び中国の面白いところをご紹介・案内いたします。面白い、興味を持っと思えたら是非是非チャンネル登録・高評価・コメント頂けると励みになります。よろしくお願い致します ！ (*^__^*)

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