【新華社太原10月14日】中国山西省運城市は、三国志の英雄・関羽（かん・う）を祭る関帝廟（びょう）の中でも国内最大の規模を持つ解州関帝廟で知られる。同市は、XR（クロスリアリティー＝仮想空間や拡張現実などの総称）フル感覚インタラクティブ映画、関羽をテーマに山を生かして繰り広げるレーザーショー、個性的な文化クリエーティブ製品など、デジタル技術による革新と伝統文化の融合を通じて、古代と現代を結ぶ盛りだくさんの文化体験を観光客に提供し、多くの若者を魅了している。

　中国の古籍『三国志』・関羽伝には「関羽は字（あざな）を雲長という。もとの字を長生といい、河東郡解県の人である」と記載されている。関羽の故郷は運城市解州鎮にあり、同鎮は現在、関羽文化を崇敬する国内外の観光客や信奉者にとって、大切な憧れの地となっている。

　運城市の解州関帝廟に隣接する関公（関羽）文化デジタル体験館では、最近新たに公開されたXRフル感覚インタラクティブ映画「千古雲長・関帝伏魔」が多くの若者の心をつかみ、行列ができる人気となっている。

　このほど開催された山西運城第36回関公文化観光フェスティバルでは、多彩な形式のステージや展示が国内外の観光客の目を引き付けた。「世界関公文化交流展」の会場ホールに展示されたタイやシンガポール、マレーシア、日本などの旗や磁器、絵画、記念メダルといった数十点の実物は、世界各地に息づく関羽文化交流の足跡を伝えていた。

　中国に留学中の日本人は、日本では「三国演義」と関羽の物語を知っている人が多く、関羽は商売をしている人にとっては商売繁盛の象徴であり、ゲーム愛好家にとっては非常に高い戦闘力と勇猛なイメージをまとった存在だと語った。

　大まかな統計によると、世界の少なくとも168の国と地域に3万カ所以上の関帝廟や関羽を祭る会館（集会所）がある。解州関帝廟は、40以上の国・地域の関帝廟や関公文化研究会などの団体と、対面およびオンラインで文化交流を行い、互いに連携を図っている。（記者/王皓、楊晨光）